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ちょっと驚く気功の話 (2)

①富士山の気に清められるのは気持ちいい。

 「よし、今日は富士山の気を感じよう」
そう思い立って、眉間の間の印堂(いんどう)から気を吐き、それを富士山の山頂にまで届けるイメージを描きました。しばらく続けていると、富士山から気が返ってきて、足の裏の湧泉(ゆうせん)から入ってきます。
 富士山との間で気のループができ、その量が増えてくると、霊峰富士山の清らかな気が私を包み込むようになりました。そして、いつしかその清らかな気の流れが、富士山から流れ出る伏流水に変わり、私は清らかな水の流れに浮かび、さらに清められるようになったのです。
 富士山は、山にいただいた真っ白な雪を、自らの内に取り込んで長い年月をかけて清らかに磨き上げます。そしてそれは、やがて伏流水となって麓から流れ出していきます。私は今、その清流に洗われながら、富士山の清らかさそのものに包まれているのです。
 清流の流れに浮かびながら、私は、フワフワと空に浮かぶような感覚を味わっていました。そしてさらに、だんだんと体の輪郭があやふやになり、水の流れが私の思いそのものを清めはじめました。私は、富士山の気によって、心も体もすべてを清められていったのです。

②気に包まれて、フワフワと宙に浮きました。これって空中浮遊。

 「アッ、浮いた」
 気功の修練が進んで、大量の気が体を巡るようになり、いつもと同じように修練をしていた時のこと、急に体が空中に浮いたように感じました。
 私は、いつも横になって、気を体に巡らせています。最初は、足の湧泉(ゆうせん)のツボから足を通って腰まで、そして背骨に沿って上がってきて頭に入り、眉間の間の印堂(いんどう)から星に向かって出て行くという流れができます。しばらく続けていると、その流れがだんだんと太くなり、体中に気が満たされ、それが勢いよく巡る流れになっていくようになります。
 ところが、その日は体の中を巡っていた気が、体の外に溢れだしていったのです。そして、私の体そのものが気の固まりになっていきました。そしてその瞬間、体の輪郭が曖昧になり、体の感覚が消えてしまったのです。
 それまでは、体の輪郭がはっきりと意識されていました。当然、床に寝ている感覚も背中に感じていました。ところが、気が私の体の内からあふれ出た途端、体の輪郭が感じられなくなり、同時に床に寝ているという感覚もなくなったのです。そしてその結果、気そのものになった私の体が、床から離れて空中に浮いたような感覚になったという訳です。
 その空中浮遊は、誠に心地よい感じでした。体の感覚がなくなったということは、どこにも緊張がないということです。空中にフワフワ浮いて、気の流れによって清められているのです。
 まさにこれこそが、究極のリラックス状態だと感じていました。

③機に包まれて、私の魂が世界と一つになった。

 「アッ、すべてが消えた」
 空中浮遊が当たり前に起こるようになって半年ほどたったころ、今度は世界の全てが消えてしまう体験をすることになりました。
 気に包まれてフワフワと浮く感じは、とても心地の良いものです。それでもまだ、自分の体を巡る気の流れは感じますから、自分の体がそこにあることは分かります。
 そのような状況の中で、吐く息を限りなく長く静かにし、自分の行為をできるだけ小さくしていきました。そのように、自分のすることをほぼゼロにして、気そのものが自然に流れるのに任せたのです。そのような、ただ気が流れるだけの状態に身を任せていると、途端に体の感覚も気の流れも感じられなくなってしまいました。そして、その時に残ったのは私の魂だけ、思いだけが宇宙の真ん中にポッカリと浮かんでいる感じになったのです。
 周りには何も見えません。ただ私の魂だけが気に包まれて宇宙空間に浮かんでいます。それはまさに、私の魂が、全宇宙の気と一体になってそこにあるといった感じでした。
 その時私は、確かに実感しました。私の命は、宇宙に満ち溢れる気によって守られ生かされていたのだと。私という存在は、心も体もその命に支えられているのです。だからこそ、心が絶望に沈んだとしても、命は常に前向きだったのです。体が瀕死の病気になったとしても、命がそれを癒してくれていたのです。
 今私は、宇宙の気と一体になって、自分の命の一番の元に帰っていたのです。そしてそこにある、究極の安らかさと清らかさを味わっていました。

④伊吹山の気に生きるエネルギーをもらった。

 「よし、今日は伊吹山の気を感じよう」
そう思い立って、眉間の間の印堂(いんどう)から気を吐き、それを伊吹山の山頂にまで届けるイメージを描きました。
 私は、岐阜県大垣市の生まれで、生まれた時から伊吹山を西方に仰ぎ見て育ちましたから、懐かしい山です。
 また伊吹山は、花の山、薬草の山として有名な山で、命を育む特別な山としても知られています。
 気に包まれて、命そのものと触れ合った経験をした私は、ぜひともに、命の山である伊吹山と縁を結びたいと思ったのです。
 花の山、薬草の山である伊吹山から返ってきた気は、独特なものでした。いつもなら、足の湧泉(ゆうせん)から入ってくるのですが、伊吹山から返ってきた気は、いきなり背中全体を押し上げるようにして入ってきました。
 大地から草が一斉に芽を出し、すくすくと同じ高さで伸びていくような感じで、大地から湧き上がってきた気が、私の体全体を押し上げてきたのです。
 私の体を押し上げ、体に入ってきた気は、一気に頭に上り、眉間の間の印堂(いんどう)から勢いよく吐き出されて、伊吹山へと返っていきました。
 まさに、大地が草花を芽吹かせ、さらに育て上げていくエネルギーをそこに感じました。そして、伊吹山の気のエネルギーに満たされた私の体には、生きる力がみなぎってくる感じがしたのです。
 気は、まさに命のエネルギーそのものです。健やかに、伸びやかに命を育てようとしているのが気だったのです。ですから、ただそれに身を任せれば、自分にとって一番健やかな生き方ができるようになるのです。

⑤禿げそうだった髪の毛が、フサフサになった。

 「たいへん、頭のてっぺんが禿げてきた」
 原因は髪の毛を黒く染めたことで、頭皮にストレスがかかったからです。そこで、ヘアカラーを替え、それ以上は髪が傷まないようにはしました。しかし問題は、活動を停止してしまった毛根を復活して髪を増やさなければ、てっぺん禿げになってしまうということです。
 しかし、頭の毛根を復活させるなんてことが、70歳になった老人にできるのだろうか。一瞬こんな弱気が心をよぎりましたが、すぐに、「いや、気のエネルギーをもってすれば、必ず毛根は復活する」と、気に対する強い信頼感が蘇ってきました。
 そこで、一日に6回、しっかりと頭皮マッサージをすると共に、頭皮に気を送り続けました。
 最初の2週間は、それほどの変化はありませんでした。ところが、3週間目に入ったころから、少しずつ禿げていたところの皮膚のツルツル感が減り始めました。毛根が元気になり、新しい髪の毛が育ち始めたのです。
 髪の毛の復活が感じられたことで、いよいよ頭皮マッサージと、気を送ることに熱心になりました。
 そして、1か月をすぎると、うぶ毛が増えてきて、ツルツル禿ではなくなってきました。もちろん、まだ薄毛の状態を脱したわけではありません。しかし、気を送り続けたことで、毛根が復活しツルツル禿にならずにすんだことは間違いありません。これから先、どこまでふさふさになっていくか楽しみになりました。
 気はやっぱり元気の源です。気を体中に巡らせば、体の隅々まで元気になっていくことを、また改めて実感しました。

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